山梨県が、来年11月から、重度心身障害者医療費助成制度を、窓口無料方式から自動還付方式へと後退させようとしている問題で、県が甲府市内で開いた説明会に参加しました。
会場には、制度改悪の被害を受ける障害者とその家族、医療関係者などが詰めかけまりました。
行政が用意したイス席では足りず、会場は床に座って話を聞く人、立ち見の人などでいっぱいになりました。
会場の収容人数は150人。
「甲府では150人に説明すれば十分」とでも思ったのでしょうか?
まずそこに怒りが沸きました。
そして、来たくても来られない人が、集まった人たちの何倍もいるだろうということを忘れてはいけないと思います。
山梨県では、重度心身障害者の医療費は窓口無料化されているので、受診の際に医療機関に支払いをしなくても済みます。
これを、自己負担分をいったん支払った後、3カ月後に口座へ振り込んで払い戻す方式に変えようというのが県の狙いです。
「自動還付方式」と呼んでいますが、いったん支払わなければならないのですから、償還払いの一種です。
会場で配られた説明資料はこちらからダウンロードできます
http://www.pref.yamanashi.jp/shogai-fks/gyouji/documents/0805-09jyudo.html
県の担当者は「助成の方法を変更するだけ。助成制度は継続する」「医療費の支払いに必要な資金を事前にお貸しする制度を創設する」などと説明しますが、参加者からは不安の声が続出しました。
参加者からは、「重度障害者は働くことが難しく、収入が少ない。医療費を払うことで生活が厳しくなる」という声が続きました。
貸し付け制度についても
「急に具合が悪くなったときにはどうするのか」
「複数の医療機関を受診する場合、いくらかかるかわからない」
「予想以上にお金がかかったとき(=借りたお金では足りなかったら)どうしたらいいのか」
「仕事を休んで手続きをしなければならない」
「手続きにタクシーを使うことになったら負担が重い」
「聴覚障害者が手続きをするとき、手話通訳者を保障してくれるのか」
など、不安の声が次々と出されました。
県の担当者は「使いやすい制度にするように検討する」「市町村と協議する」などというばかりです。
結局、予定していた1時間半が過ぎて、まだ質問の挙手をしている人がいるのに、説明会は終了。
担当者も「移行までには時間がある・・・段階ごとに随時説明したいと思う」といわざるを得ませんでした。
(画像に発言のテロップが映っています)
およそ、当事者の不安が解消され、理解が得られたといえない内容でした。
だいたい、「使いやすい制度」にするならば、窓口無料方式を維持することがいちばんです。
運動をさらに広げて、窓口無料制度の継続を勝ち取るためにがんばります。
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